[無茶庵のエネルギ((原子力ーと自然)環境学習塾」

アクセスカウンタ

zoom RSS 随想 「中越沖地震と柏崎刈羽原子力発電所」

<<   作成日時 : 2007/10/23 07:56   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

このところ、学会のシニアネットの学生との対話関係で多忙でブログも手を抜かざるを得ない状況である。
以前このブログに中越沖地震の時の発電所の対応などについて感想を書いたが、友人がそれを見て、友人が編集委員を務める某業界誌に随想ん寄稿を依頼された。
このたびそれが掲載されたので本ブログに載せることにした。

**************************************
随想  無茶庵     
 
  
                           
中越沖地震と柏崎刈羽原子力発電所

7月16日午前10時13分ごろ中越を襲った地震はマグニチュード6.8震度6強の強烈な地震だった。この地震による災害が阪神淡路の震災に比べて、それほど大きくなかったのはお盆休みの最中でしかも昼前の比較的火を使わない時間帯であったことが幸いしたのかもしれない。
この地震の一報を聞いた時、いつの時でもそうだが、まず近隣の原子力発電所の事を心配した。特に、私はこの柏崎刈羽原子力発電所には1号機から最新鋭の6、7号機までのほとんどの号機の建設に関与した経緯から、この発電所に対しては格別な思い入れがあり、その設備や働いている人々の事が気になったのである。
その後刻々と報道される町や発電所の状況からは、発電所が安全に停止したか否か判断に苦しんだ。特に、変圧器の火災の映像から、安全停止に必要な電源が確保されたかどうか、気掛かりであった。そのうち、放射能が大気に漏れたとか海水に漏れたとかの報道がありこれは大変なことになったかと気を揉んだ。しかしその後、その筋から発表された放射能の数字をみて、逆に原子炉は安全に停まったであろうと確信出来てひとまず胸をなでおろしたものである。

その後の報道や公開された報告を振り返り今回の地震について、思うところを次の3点に纏めてみた。
1) 現場は良く対応して、原子炉の安全停止(核反応を止める、原子炉を冷やす、放射能を閉じ込める)を成し遂げた。我々の納めた機械、制御システムも良く機能を維持したようだが、それ以上に、このような緊急事態を無事に乗り切った発電所所員の努力と技能の高さに敬意を表すとともに称賛を送りたい。やっと1ヵ月後の8月15日朝日新聞が各号機の当直長の苦労話を載せていたが、嬉しく思ったのは私だけではないだろう。彼等はあの状況の中で安全を守るのに懸命であったはずである。それなのに、報告が遅いとか対応が悪いと現場にクレームする関係者の態度には何時も気に障るのである。
2) 事業者と自治体が設置したモニタリングポストは何れも検出限界以下であった事実を無視して、些細な放射能漏れを大事のごとく無頓着に報道するマスコミとはっきりものを言わない関係者の対応のまずさから、海外にまで風評被害をもたらした。国、安全委員会、事業者は、住民や国民の安全・安心と言う視点から現状の実態を正確に報告し、その時点での安全の度合いを解り易く説明してもらいたいと思う。
設備や機器の損傷は事業者はもとより、一般住民や国民にとってもそのことが原子炉の安全に対してどう影響するか最大の関心事であろう。今後十分な点検と調査がなされ解り易く説明されることを期待する。一方、今回の地震では、想定を大きく上回る地震動にも拘わらず、これまで建屋、機器に大きな損傷が見つかってないが、その理由を解明し説明することも国民に原子力発電所の安全を知ってもらう上で大事なことではないだろか。 
2) 800万kW余の大電源が停止しても、供給能力に大きな支障が生じさせずその後の猛暑も乗り切った東京電力鰍フ強さにも驚いたが、逆にこの事が国民に電力の有り難さを実感できず、エネルギー問題に関心を持って貰えない原因の一つになっているのではないだろうかと余計な心配をする。
市街の復興、被災者への支援はもちろんも大事であるが、800万kWの電源の復旧は電力事業者はもとより、国にとっても大変重要なことである。とくに地球温暖化対策で2酸化炭素排出削減に国を挙げて四苦八苦している時期である。経済産業省のみならず、環境省、外務省なども大きな関心を持って国を挙げて解決する姿勢を示して貰いたい。
事業者である東京電力はこれから懸命に復旧再起動に向けて努力するであろうが、国として再起動を許可する条件となる設備改善指針や耐震要求を出来るだけ早く事業者に示してやるべきではなかろうか。安全に関わらない設備は、事業者が財産保全と経営上のリスク判断でどの程度お金をかけるか判断すれば良いが、国民、住民の安全を守るための設備改善は国がはっきりその指針を決めなければならないはずである。

今回の地震で被災された住民と発電所に対して心からお見舞い申し上げると共に、国益のためにも官、民一体となってこの事態に対処して柏崎刈羽原子力発電所が早期に復旧し再起動することを心より念じる。
      
                     平成19年8月末

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
随想 「中越沖地震と柏崎刈羽原子力発電所」 [無茶庵のエネルギ((原子力ーと自然)環境学習塾」/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる